和歌ログ - 平成二十四年如月（二月）の歌

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	平成二十四年如月（二月）の歌
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1日	☆	目路の限り覆へる雪のいや白く深き情けの冬の北の地
2日	☆	幾重にも高速道と歩道とが重なる隙を北風は吹く
3日	☆	節分の日は傾けど筑波嶺の稜線は空に際立ちて見ゆ
4日	☆	スーパーの光の滲む駐車場にわずかに春は立ち初めにけり
5日		鉛色の雲立ちこむる空の下虚しからずや選挙カーの声
6日		喪中なれば年賀葉書の年玉の一枚とても当たらざりけり
7日	☆	朝凪の鏡のごとき川面には重たき雲の襞まで映る
8日		坂東の雲居の限り見渡せどさほど彼方に飛ばぬ心よ
9日	☆	寒風の霞ヶ浦に沈み行く夕日に染まる雲の二切れ
10日	☆	青空に春の顔なる綿雲の浮かびて深き息をつきたり
11日		風ゆるみ寒さの底といふものの抜けて初めてありたりと知る
12日	☆	伊豆の海に沈む夕日の行先を望む能はず名古屋に着きぬ
13日		ぽつぽつと降り始めたる雨を残し新幹線はひむがしに滑る
14日		ともすれば雪の形で落ち来るを雨として受くる坂東の春
15日	☆	順番に様々の鳥鳴く声を水に溶かして川は流るる
16日	☆	北風に京都タワーの白く立つ都の空は変わらざりけり
17日	☆	雪雲の去りたる京の蒼空に三千首めの歌を捧げん
18日	☆	夕焼けの赤き雲居に富士の嶺の影こそ黒く燃えて立つなれ
19日		梅の香をガラスの内に閉ぢ込めて今しばらくの時節待つなり
20日	☆	一日の会議で固く丸まりし背中越しに見るつくばの夜景
21日		どこまでも深々とした青空の下に上野の山うずくまる
22日		冷たさのなき春雨は浜に立つ龍馬の肩を濡らしたる雨か
23日	☆	南国の春を迎ふる青空に白き風車の回りゐるなり
24日		日は落ちて広き駐車場を横切れば風に吹かるる頬ゆるみたり
25日	☆	鯉たちは何を求めて夕暮れの水面上に跳び出づるらむ
26日	☆	あまたある梅の蕾の二つ三つ弾けて街は色付きにけり
27日	☆	波の立つ川面を照らし硬質の赤みの薄き日は沈み行く
28日		空に立つツリーてふ名のテレビ塔の立つ空染むる春色薄し
29日		スターバックスの丸テーブルに積もりたる白雪は端より解け始めたり

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