Wakalog Top へ
（検索サイトからおいでの方はクリックしてご覧ください）
平成三十一年 如月 （二月） の歌
それぞれの和歌をクリックすると、日記もご覧になれます。
(☆印= 日記オススメ）
<< 前月へ
バックナンバー
翌月へ
1日
移動中の新幹線のどこやらで写せる景色ファイルに残る
2日
近江なる琵琶湖の岸の山並みの僅かに白く染まれるの見ゆ
3日
昼過ぎに冷たき風の吹き止みて日没の色赤み増したり
4日
立春の暖かき日の落ちてより冷たき風の蘇りたり
5日
☆
空覆ふ雲の晴れざる一日に筑波の峰の辛うじて見ゆ
6日
あんといふ店で食ひたるおばんざいまた行くことあれば是非にぞ寄りたき
7日
☆
川土手を突如揺らして現れしパワーショベルに魚も驚く
8日
☆
雪降るといふ前日のコーヒーの湯気を見ながら時を過ごせり
9日
☆
土手腹をわずかに白く彩りて板東の雪は遠ざかりたり
10日
冬用のタイヤで乾ける国道をふうわりと行く二月の夕べ
11日
☆
明け方に土手覆ひゐし白雪のあまりに早く消えたるこの日
12日
板東の遙か地平とすれすれの平行線の雲の切れ目よ
13日
太陽光は立春過ぎて遠ざかり発電装置も暇となりたり
14日
☆
川土手にコンクリートブロック敷き詰めて見慣れし姿遠ざかるらむ
15日
ガラス越し雪寸前の風の吹くビジネスホテルの十二階フロア
16日
☆
帰宅して夜空に浮かぶ白雲の輪郭までも間近に望む
17日
晴れつつも風の冷たき日は暮れて煌々と照る十三夜月
18日
☆
夕暮れは遅くなりしと思へども気付けば待宵月昇りゐき
19日
時期となり小粒なれどもしつかりと蕾膨らむ遅咲きの梅
20日
☆
濃き霧の晴れたる庭に日を受けてクロッカス咲き春を告げたり
21日
☆
ひむがしの空よりぬつと現れて昇りてさらに赤き居待月
22日
バイパスの開通せしを祝ふごとく晴れたる空にアクセルを踏む
23日
春の空に冬の風吹く昼下がり水車で挽ける蕎麦を食ひたり
24日
☆
午後五時を過ぎて明るき西空の筑波の影の徐々に近付く
25日
☆
菜の花の頭の先が僅かずつ黄色に染まる頃とはなりぬ
26日
片側の三車線ある大通り行き交う車不意に途絶えき
27日
明晩は同じき年の友人の逝きたる通夜の席に列せむ
28日
☆
我が友は享年六十六歳と我と同じき歳で逝きたり
<< 前月へ
バックナンバー
翌月へ