私はウェブ・ページを作るのに、Adobe Web Standard CS3 を使っている。まあ、その中でも、Dreamweaver と Fireworks を主として使っているわけだが。

Dreamweaver はウェブページ作成ツール （このソフトの読み方については、こちら を参照 ） で、Fireworks というのは、画像処理ソフトだ。私のサイトのロゴやバナーのほとんどは、この Fireworks を使って自分で作ったものだ。

この Fireworks は、ロゴやバナーの作成・加工をするには本当に便利なのだが、一部では、写真の処理には使えないという神話がまことしやかに語られている。

確かに、写真の処理は Photoshop の方がずっと上手だろう。それで世の中には、たかがウェブページ作成のために、ただでさえ高い Fireworks と Photoshop の両方をインストールして、使い分けている人までいるらしいのだ。よっぽどお金に余裕があるんだなあと、うらやましくなってしまうのである。

例えば、Fireworks では、下のように写真のエッジにぼかしを入れる処理ができないか、少なくともものすごく難しいと思っている人が多いようだ。確かに、この程度の処理は Photoshop どころか、廉価版の Photoshop Elements でも簡単にこなせるが、Fireworks だと、それ専用のメニューも見あたらないし、ちょっと面倒そうに見える。

「Fireworks 写真 ぼかす」 なんていうキーワードでググってみると、例えば こんな ページが見つかる。読んでみると、切り取りたい部分を楕円ツールで選択して真っ黒に塗りつぶし、そのあとはマスク処理をするだの、レイヤーでどうこうするだの、けっこう複雑なことが書いてある。

これでは、「価格.com」 の口コミ・ページで、「Fireworks4の購入を検討しているのですが、写真の加工や境界線をぼかしたりすることもFireworks4でできるのでしょうか？」 という質問に、「FW4はフォトレタッチじゃないさん」 という人が、「PhotoShopのほうがいいかも」 と木で鼻をくくったような回答を寄せるのも、わからないではないような気もする。

しかし、FW4はフォトレタッチじゃないさんには悪いけど、Fireworks だって、ぼかし程度のフォトレタッチは簡単にできるのである。そうでなければ、高い金を出す意味がない。

やり方は、上記で紹介したページのように、マスキングだのなんだのという処理の必要は全然ない。多分、これが一番簡単なやり方だと思うので、以下に順番に示す。（なお、バージョンは CS3）

1. 処理したい画像を開く。
2. 楕円マーキーツール （縁をぼかすのは、大抵楕円型の写真だろうから） で、切り取りたい部分を選択する。
3. プロパティ − エッジ で、「エッジをぼかす」 を選択し、数値は 20〜30 ぐらいで適当に指定する。
4. カットかコピーして、新規ドキュメントを開き、そこにペーストする。

たったこれだけで OK。マスキングだのレイヤーだのといった処理は全然必要ない。

この記事は、Fireworks を使っていて、写真の縁をぼかしたくてもできなかった人のために書かせて頂いた。このページに使った写真は、すべて Fireworks で加工したものである。