和歌ログ - 平成十九年睦月（一月）の歌

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	平成十九年睦月（一月）の歌
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睦月二十二日は「和歌ログサイト独立記念日」
1日	☆	真直ぐなる道を駆けると人の言ふゐのししに見む阿吽の姿
2日	☆	正月の箱根の山を駆け上るランナーの息弾み乱れず
3日		それぞれの顔偲ばるる文字と画の賀状を眺め三が日過ぐ
4日	☆	あらたまの年明けてなほ仏道を護る剣こそ不動なりけれ
5日	☆	この竈の立てたる煙樺太の海見し人を育てたるなり
6日	☆	正月の第一週も過ぎんとす雨の川面の走る速さで
7日		冬枯れの街のものみな揺れ震ふシベリアよりの風吹き抜けて
8日	☆	コーヒー店のオレンジ色の灯火とジャズピアノの音漏るるを後にす
9日	☆	門松は小正月まで飾るらしビジネス街の年も明けたり
10日		青空の北と西なる低きには雪落とすらむ厚き雲見ゆ
11日	☆	寒風に散り果てぬ葉の二枚分辛くも見する銀杏の余裕
12日	☆	締め切りを辛くも守りコーヒーの香り漂ふ時ぞ嬉しき
13日		遙かなる千島の先のプレートの少しく弾け揺れは来たれり
14日	☆	ひむかしをまず赤く染めしかる後白く射照らし冬の日は出でぬ
15日		見上ぐれば細長き空青々と違法駐車を照らしゐるなり
16日	☆	出水（いづみ）なる恵みの池に映り込む冬の雲居に青き梢よ
17日	☆	旅慣れし身ぞすさまじきそそくさと見逃せしものなきが如くに
18日		変はり行く街に変はらぬ佇まひありて訪ぬることぞ嬉しき
19日	☆	冬至より一月足らずビル街の黄昏時は空のみ青し
20日		年寄りの声大きなるは脚弱く早足なるは物静かにて
21日	☆	大寒を過ぎし土には僅かにも溢るるまでに殖ゆるものあり
22日		駐車場に居並ぶ車それぞれに異なる生を乗せ来ては去る
23日		拡幅の工事の音の響き来て小川の「小」の字消ゆる日ぞ来る
24日		ビル街の裏通りにはその赤もはにかみ気味に椿咲きをり
25日	☆	あかねさす日に染まりたる霜野原やがて消え行く元の白さで
26日	☆	如何にして登りたるらむ小屋根にて老猫は受く冬の日射しを
27日	☆	国道の彼方に一番星は出でて宵のパレード率ゐて光る
28日		昨冬の雪の記憶の新しき目には冬とも見えぬ山越え
29日	☆	山茶花の咲き始めゐて次の冬またその次の冬ぞ待たるる
30日	☆	シベリアの凍土にはなき豊かさを白鳥は見るか冬の刈田に
31日		立春も来ぬ間にビルの谷間には三寒四温の「温」の風渡る

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