和歌ログ - 平成十七年如月（二月）の歌

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	平成十七年如月（二月）の歌
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1日		故郷に雪はいかほど積もれるかライブカメラでそを眺め見る
2日	☆	フィルターの如き山越え吹く風は乾きて冬の夕焼けとなる
3日	☆	来月は卒業式の高校の隙間だらけの自転車置き場
4日	☆	夕暮れの関東平野の只中の高みに立てば影のみ長し
5日		ブラインド越しに射す陽を浴びながら風邪養生のうどんをすする
6日		大分でマラソン走る人ありて為すこともなく筑波嶺眺む
7日	☆	行きたしと思へど手よりすり抜けて京への旅はけふも届かず
8日		ガラス張りのビルに映れる街の雨合わせ鏡の水溜りなり
9日	☆	霜として地に止まらず霧として今朝の大気の水は漂ふ
10日		水かさは岸辺を映すほどまでになりて小川の春近づけり
11日	☆	七万の峠をふとした弾みにて越えて振り向く道も遠のく
12日		カフェ・ラテと液晶ごしに見上ぐれば小さき絵あり初めて気付く
13日	☆	花のなき季節に空の花器四つ並べ見えざる花を見せをり
14日		見渡せば風と水との煌めきて光の春は今此処にあり
15日	☆	空を映し同じき碧の海なれば霞を立てて己を隔てり
16日	☆	揺さぶられ慣れたる里の明けぬれば常なる朝の始まりてをり
17日		うららかな一日が暮れ明日よりは寒さ戻るといふ風が吹く
18日	☆	あの歌がジョージア州歌となりし年に君と我とは結婚したるか
19日		三重の塔は氷雨に濡れてこそ花の色香のいや増すらむぞ
20日	☆	遅咲きといへど色にぞ出で来たり蕾の内の梅なる証し
21日	☆	大きなる穴の奥歯に空きたれば春とは言はず冬の夕焼け
22日		図らずも他所行きじみた構図にて己の撮りし写真に戸惑ふ
23日		春一番吹きて我が家の次女もまた花粉症にぞなりたるらしてふ
24日		巨大なる凸面鏡に捕らはれし我を率ゐるタンクローリー
25日	☆	雪の土手犬の足跡をちこちに跳べるを追ひし人の靴跡
26日		春先に紅葉せしと見ゆるほど花粉抱きて群なす杉よ
27日		気が付けば枯れ草色の消え行きて土手は緑の薄衣まとふ
28日		明け方のホテルの窓の隙間より隣のビルの壁のしみ見ゆ

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